【文章 2 】 ( 日本のタクシーには 2 種類ある。タクシー会社が経営するタクシーと、もう一つは個人が経営するタクシーである。下の文章は、ある評論家が個人タクシーに乘ったときのことを書いたものである。この文章を読んで後の間いに答えなさい。 ) 座り心地の悪い車が私の嫌いなものの一つである。タクシーにはそういう車が多い。ところが、この前乗った個人タクシーは、運転が滑らかな上に、実に心地がよかった。 「こんな座り心地のいいタクシーは初めてですよ。」 「そうですか。これは、①自分でいうのもなんだけど、高級車なんですよ。」 「タクシーにそんなにお金をかけるのは、珍しいですね。」 「私は、個人タクシーを初めて 17 年、これで 4 度車を買い替えたんですけと、いつも買おうと思う車種の中で、②一番高級なのにしてきたんですよ。今度のは、メーターも入れると、 400 万円」 「③ほう。」 「お金をかけていいものを買うと大事にするでしょう。安物だと、つい、いい加滅になりますよ。車を大事にしようと思うと、事故なんか起こさなくなりますよね。」 「立派だなあ、おいくつですか。 「 72 です。」 「へえー、たいへんですね」 「いや、④こんな楽しいことはありませんよ。毎日、朝 6 時半から始めて、午後 2 時半には終わりにしますがね。もう少し稼ごうなんて思ったら、仕事がしたくなくなっちゃいますよ。私は、⑤日曜日には必ず休みます。そうすると、車がいいから、月曜日の朝になるともう車に乗りたくてね。 17 年間、仕事は毎日楽しかったですよ。年だから仕事を辞めようなんて思ったことはありません。男が、あさ起きて⑥今日は何をしようかなんてことになったら、終わりですからね」 ⑦自分の仕事のやり方にぐさりとくる話なので、ただ「そうですね」と相槌を打った。いつも取材に走り回り、土曜日も日曜日もなく徹夜で原稿を書くという私のような仕事の仕方では、長生きはできそうにない。自分の生き方を考えさせられた。 問 1 文章中の「①自分でいうのもなんだけど」の「なんだけど」というのは、ここでは、どういう意味か。 A ・ B ・ C ・ D から適当のものを一つ選び、記号で答えなさい。