【简答题】
【課題】 黄色 になっているところはどう理解すればいいか、文章の中から答えになる言葉を探し出してまとめたりしましょう。 このように機会あるたびに絵はがきを集めて眺めていると、その表現にある共通した特色が認められることに気づく。 ( 1 )それ は、このパヴィアの教会堂であれ、あるいはローマのコロセウムやパリの凱旋門(がいせんもん)であれ、西欧の名所絵はがきは、いずれも余計なものはできるだけ切り捨てて、対象そのものを正面から画面いっぱいに捉えるというやり方を採っていることである。絵はがきが観光名所の紹介を目的とするものである以上、 ( 2 )そんなこと は当たり前だと言われるかもしれないが、事はそれほど簡単な話ではない。日本の観光絵はがきでは、お寺でもお城でも、建物だけを捉えたものは稀だからである。 事実、たとえば、京都の観光絵葉書を見てみると、建物も庭も白一色に覆われた「雪の金閣寺」とか、咲き誇る桜の花を前面に配した「清水寺の春」などのように、周囲の自然と一体になった建造物をモチーフとしたものが圧倒的に多い。 ( 3 )そこ では、西欧の絵はがきでは排除されている自然が大きな役割を演じているのである。 ( 4 )そのこと は、名所についての日本人の考え方、さらには、自然観と密接に結びついているであろう。もともと日本人にとって名所とは、高雄(たかお)の紅葉とか、醍醐(だいご)の桜というように、自然景と一体になったものであった。写真の登場以前に今日の絵はがきと同じような役割を果たしていた浮世絵の名所を思い出してみれば、 ( 5 )その間の事情 は明らかである。 代表的な例としては、広重(ひろしげ)の晩年の名作「名所江戸百景」がある。これは文字通り江戸の名所を次々に版行(はんこう)して、全部で広重は百十八点の「名所」を残した。それを、広重の死後、版元が新たに一点と扉絵を追加して、総計百二十点の揃物(そろいもの)として売り出したのだが、 ( 6 )その際 、当初はばらばらに制作されていたものを、春夏秋冬の季節に分類してまとめたのである。それは広重の作品が、雪晴れの日本橋とか、花の飛鳥山(あすかやま)といった具合に、いずれも季節と結びついていたからである。自然の姿ばかりでなく、五月のこいのぼりや七夕祭り、あるいは両国(りょうごく)の花火のような年中行事も登場してくるが、 ( 7 )これ も自然の運行と同調するものである。つまり、「名所」は、単に空間的な場所であるだけではなく、時間、それも循環する時間と一つになった場所なのである。 だが西欧の凱旋門や教会堂のようなモニュメントは、自然の変化や時間の経過を超えて永続するものを目指して造られた。もともと「モニュメント」という言葉が、ラテン語の「思い出させる」という動詞に由来するものであることから明らかなように、何ごとかを記念してその思い出を長く後世に伝えるためのものである。それは記憶の継承のための装置といってもよい。だが思い出は当事者がいなくなれば、時の経過とともにしだいに忘れ去られる。そのような忘却に対抗するために、容易に失われることのない堅牢(けんろう)な石の建造物を作ったのである。 もちろん、日本人も思い出を大切にする。だが日本人は昔から、記憶の継承を物質的な堅牢性に頼るのではなく、自然の運行の中にその保証を見いだした。自然は人間と対立するものではなく、むしろ人間にとって信頼する存在なのである。 ( 8 )そのこと は、都市作りのあり方にも表れている。凱旋門や戦勝柱、大聖堂のような西欧のモニュメントは、町の中の目印、すなわちランドマークとしての機能も果たすものである。これらの建造物がしばしば巨大なスケールを目指すのは、そのためである。だが日本においては、都市のランドマークとなるのは、京都なら東山(ひがしやま)、奈良なら生駒(いこま)連山というように、ここでもやはり自然である。江戸の場合も事情は同様で、「名所江戸百景」の中に独立した建造物が目立つように描かれている例は一つもない。 ( 9 )その代わり 、人々の目をひきつけるランドマークとして繰り返し登場してくるのは、富士山と筑波山(つくばさん)である。歌舞伎十八番の「鞘当(さやあ)て」の中のせりふに、「西に富士ケ根 ( ふじがね ) 、北には筑波」とあるように、江戸の人々は明け暮れこの山の姿を身近に感じて生活していた。そればかりでなく、『名所江戸百景』の中の「する賀 ( が ) てふ[駿河町 ( するがちょう ) ]の図に見られるように、西欧的遠近法に従って手前から奥へずっと延びる町並みの上に、大きな笠(かさ)のように姿を見せる富士すら描かれている。それは、町並みの向こうにたまたま富士が見えたというのではなく、富士の見える方向に町が作られたからである。つまり富士山は、 ( 10 )それ ほどまで江戸の人々にとって親しみ深い存在だったのである。
参考答案:
参考解析:
举一反三